第三章 木の上の神様 三

23/25
前へ
/604ページ
次へ
 武将の老兵が、今度こそ見事に死んでくると出陣し、 それを妻が快く受け入れるという話があった。 妻は一番の理解者で、主君の為の見事な死は、子供や孫が褒め称えられ、 出世するためのものであった。 どれだけ、子孫を思っているのかが、死の意味であった気がする。 「自殺は、残された人の為だという時もあるということですね」  全てではないが、自殺が必死に考えた結果の、残す未来である場合もあるという。 「少し理解しました」  祠堂の家の事を、遠見に話したのでスッキリしてきた。 では、家に帰ろうかとすると、テレビにK商事の正面が映っていた。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加