第三章 木の上の神様 三

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「テロ?社長用エレベータが炎上」  では、明日からはどのエレベータに乗ればいいのであろうか。 皆と同じエレベータで登り、階下で降りて階段で登るしかない。 それでもいいが、多少不便ではあった。 「テロではないでしょ。K商事は、政治的には何もない」  脅迫状も届いているようで、玄関で灯油を被って死んでやるなどとあった。 何故灯油なのか分からないが、燃えるのならば、軽油やガソリンの方がいいのではないのか。 揮発性が高い方が、より燃えるだろう。 「ええとね、氷花君。この脅迫状は、それ程の思いをしているという、訴えだよ」  燃えて死にそうな思いをしているということで、合っているのだろうか。 そっと遠見を見ると、遠見が頷いていた。
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