第四章 木の上の神様 四

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「エレベータの故障くらいにか、思っていなかった。ごめん」  素直に謝ると、慶松が笑っていた。 「大騒ぎだったでしょう?」 「何か騒いではいたね」  俺は興味が無いと気にならないのだ。 「しょうがない人だよね……」  慶松は、テレビで見て、かなり心配したらしい。 電話を見ると、幾度も慶松からコールされていた。  住宅街の道を抜けると、ビジネス街に到着した。 夜も遅いせいか、日中の賑やかさはここにはない。 通りも車は少なく、タクシーが多く走っていた。  こんな時、ファミレスと焼き肉屋があって良かったと思う。 灯りが付いていて、人が居ると安心する。
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