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整理整頓はされているが、床は傷だらけで、窓もガタガタと揺れていた。
どこかじっとりと、全体に水の気配もしている。
コンクリートの色が濃く、そこまで水が染み込んでいる気もしていた。
工場の奥は暗く、何が置いてあるのかが分からない。
工場見学というよりも、今度は肝試しの雰囲気さえ出てきた。
「ここの製品は、手堅い品ですよ。このまま消えてしまうのは、
惜しいのではないでしょうか?」
小さいながらも、職人の技術の光る製品だったと思う。
こういう製品が消えてゆくのは、損失である気がする。
「それは、ありがたいお言葉です。でも、この工場のように、消えてゆく運命なのでしょう」
工場は、一つのホールのようになっていて仕切りはなく、
作る製品によって、ラインの配置を変えるのだそうだ。
足元が悪いので、遠くからの見学になった。
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