第四章 木の上の神様 四

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 人には秘密があっていいのだ。 でも、嫌がると、余計に慶松が責めてくるので、平然を装ってみた。  でも、全く平然ではなく、再び慶松に後ろから抱えられると、驚いて滑りそうになった。 「氷花、危ないから暴れない」 「慶松、シャワーは止めろって」  でも、シャワーと指とで、丁寧に解されてゆく。 だんだん、力が抜けてゆき、最後には慶松の膝の上に乗せられる感じで、 慶松をそこに受け入れてしまった。 「あ、いや……」 「……こんなに、すんなり入ったのは初めてだよ。わかる氷花、ここに一杯に入っているよ」  俺は、自分の手で確認してみて、全部入った事に驚いてしまった。 初めて、こんなに楽に受け入れたかと思う。 圧迫感はあるが、痛みがない。
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