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「本当だ……入っている」
自分で動いてしまい、頭を抱える。
入ったはいいが、あまり慣らしていなかったので、動くと辛い。
腹の中に、生き物がいるようであった。
「……でも、動かないで。吐きそう」
吐きそうになったのは、久し振りであった。
内臓が、ぐにゃりぐにゃりと動いて、かなり気持ち悪い。
これは、人によって異なるのかもしれないが、吐くというのは、余り聞いた事がなかった。
多分、俺は腹の中に異物があるという思い込みで、気持ち悪くなってしまうのだろう。
これは慶松なのだと、自分の気持ちに決着をつけようとする。
「氷花、きゅっと締まっていて。すごく気持ちいいよ」
慶松が、ぎゅっと抱きしめてくれる。すると、身体の奥で何かが締まった。
そして、慶松が中にいることを許した。
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