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浩大は更衣室へ消える賢一に失礼します、
と挨拶した。
大学の裏門から街道へ続く道の途中に
Cafe J.Blueはある。いつも静かに
クラシック音楽が流れる落ち着いた店には
ひとりの客が多く、学生はあまり寄りつか
ない。授業時間以外拘束されない非常勤
講師の身軽さで、賢一は気が向くとここで
一息つく。
「全日本優勝大会までもうすぐですね。
今年はどうですか。」
「そこそこ行くんじゃないか。片山も健在
だしな。」
「東西対抗で十人抜きましたからね。
片山は雅彦先輩の、末っ子でしたか。」
「確かそうだ。三人兄弟全員剣道部。」
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