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「現役の時? 年が合わないだろ。」
「そうか、二十代ならまだ産まれてません
ね。他人の空似かな。」
浩大は遠い目になった。彼はふと理美が
剣道部の先輩とぶつかったと額を押さえて
いたあの日を思い出した。
「先輩、理美が額に怪我したの覚えて
ますか。」
「いや。そんなことあったか。」
「一年の春、階段で先輩と衝突したって
額を腫らしてたんですよ。」
「ああ、そのことか。俺はタックル
食らって胃が痛くてしょうがなかったよ。」
「理美は先輩の学ランの釦に突っ込んで、
相当痛かったみたいですね。」
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