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ベッドの上で仰向けになった僕は、考える。
僕は、どうしてあの本屋に入ったのだろう?
看板はなく、よく本屋だと店前に出されているカートもない。入り口からパッと見ただけだと本屋だと分からず、通り過ぎそうな【ななし書堂】。
それでも、僕はここを本屋だと確信して中に入り、あの本を見つけた。「タイトル」というタイトルの本を。
そして、彼女と出会った。
これは偶然なのだろうか?
ごろんと寝返りを打った。
考えても答えがあるわけではないーーそう思い直した視線の先に、机の上に置きっ放しにしたあの本があった。
今までの僕が描かれた物語。あの先はまだ読んでいない。
今なら、以前彼女が僕に訊いたことの意味が分かる。
『続き、読みましたか?』
彼女もあの本を読んだのではないだろうか?
そして、僕と出会うことを知った。でも、彼女もまた続きを読んでいない。
読むことは、未来を知ることになるから。
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