第7章 激情

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蘭の視線が少し下がって、美音へ向かう。その目的がわかったところで、また凄く腹が立った。 響兄の過去話を持ち出して、美音の気持ちを揺さぶろうって魂胆か。 俺も馬鹿兄貴から聞いたことあるし、実際街で知らない女といる響兄を見掛けたことが何度かある。 …汚い奴。そして、それは美音を傷付けることになるってわかってるのに。 「何が言いてーんだ?」 一気に低くなった響兄の声色。 「誰彼構わずヤッてたあんたが、女1人で満足出来んの?」 瞬間、響兄が笑う。 「餓鬼過ぎて話になんねーな」 腕の中の美音を見下ろし、今度はその唇を予期なく奪った。 ─ダンッ、ダンッ 蘭はまた壁を続けざまに蹴り上げる。 「俺が他の女じゃ駄目なこと、こいつが1番よく知ってるよ」
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