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 その枝肉にはセリにかけられる前にランク付けがされる。A3とかA5とか聞いたことがあるだろう。ランク付けは枝肉の左のロースの部分に切り込みを入れ、その断面から見える肉の状態と、内ももの一部分の脂を削ぎ落とした部分の二箇所から霜降り――サシの入り具合や歩留まりなどを見て決められる。牛でも豚でも枝肉になる時に右と左に分けられる。心臓のある方が左。ない方が右。左右二枚で一頭分となる。  ちなみにA4のAは、歩留まりの良さを示している。歩留まりが劣っていると判断されれば同じ肉質だとしてもB4となるのだ。  歩留まりとは、その部位に対して、商品として使用できる肉の割合のことを言う。歩留まりか悪ければ同じ重量の肉でも商品に出来る量が減る。売上が落ちるか、もしくは足りない利益を埋めるため、肉の単価を上げざる得なくなる。商売として足を引っ張ることになるから歩留まりもバカには出来ないのだ。ちなみに数字の方は1から5まであり、5が一番サシ、肉質などが良いことを示す。
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