第2章 故郷

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リリアンの故郷である首都ボルンの隣村は海に面した、そのものズバリな名前のリゾート村。 首都ボルンから徒歩でも一日でたどり着くとあって気軽に利用出来る家族向け観光地として有名なのだ。 リリアンの実家はリゾート村で道具屋ローズ亭を営んでおり、冒険者必須のアイテム以外にも、お菓子・ドリンク・お弁当・雑誌など数多くのアイテムを取り扱う店であり。 ぶっちゃけるとコンビニだ。 このカルラーム大陸では魔力で風車を回す魔道機関(モーター)が発明されてからは、乗り物から印刷技術や発電技術などが発達しており、往年のレベル99の魔法使いの老人達が「世の中便利になったもんじゃのぉ…」と唸る程だ。 それはさておき、マリーとリリアンはマリーの薬局に到着したのである。 このマリーの薬局も首都の薬屋に負けるとも劣らないラインナップだ。 毒消や薬草は基本としても、複数回使用出来る体力回復の宝玉・どんなリュウマチや麻痺や神経痛も治すディスパラライズ・極めつけは魔道モーターの電流を使って止まった心臓をも動かす通称反魂効も販売している。 「お父様ぁ!マリーただいま戻りましたぁ。」 マリーが薬局に入るなりカウンターにいた店主に抱きつく。 店主は学者肌なのかほっそりした体型で、とても力仕事などは出来なさそうだ。 「おお!可愛いマリー!危ない怪物は居なかったかい?」 店主が薬草摘みから帰った娘の頭を撫でながら語り合う。 「怪物は居なかったのですが、今日は大事な友達が訪ねて来たのです!」 そう言ってマリーはリリアンを手招きで薬局の中へ呼んだ。 さすがに村の中でミリタリー色は目立つのでリリアンは普段着に着替えている。 「どうも!おじさんお久しぶりです!」 リリアンが幼なじみのマリーの家へ最後に遊びに来たのは一年程前になるだろうか… 『ほほぅ…やはりここへ来たのか馬鹿娘が!』 リリアンが気付く間もなく店の中に隠れていた髭もじゃでマッチョな男がリリアンに飛び蹴りをかます! そしてその足先は見事にリリアンのみぞおちに決まった! 「ぐはぁ!お…お父ちゃん!隠れたなんて卑怯な!大事な娘のお腹を蹴るなんて頭おかしいんじゃないの!」 見事に飛び蹴りが決まったにも関わらず軽く後ろへ飛ばされただけでリリアンは元気そうだ。
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