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リリアンが魔法学校に入って半年程経過した頃だろうか…国中を騒がす一つのニュースが飛び交った。
ボルン国王からの依頼で大穴に挑んだ一人の勇者が行方不明になったらしいのだ。
ボルン魔法学校は国王の住む王城の一部を改造使用しているので噂はすぐに学校内に広まる。
その勇者はボルン国王がその高い能力を評価、自信を持って送り出した勇者が行方不明と聞いて動揺したものの、国王はすぐに第二の勇者の募集を始めた。
が…生きて帰れるとは限らない冒険を志願する冒険者はなかなか存在しない。
次第に国にはあきらめ感が漂い始めた頃、ボルン城謁見の間に勇者志願の知らせが飛び込んで来た。
そして王城謁見の間に現れたのは…リリアンだった。
リリアンは国王に一礼を済ませ、颯爽と国王に向かい勇者志願を宣言。
「私に任せるのよ国王様!…ってジーニアス教官!」
魔法学校講師ジーニアス教官は表向きは教官だが、実は裏の顔は国王その人なのであった!
……と言うのはボルンに住む住人なら大抵知っている。
隣村の出身のリリアンが知らなかっただけだ。
「あのな...リリアン・ローズ君…勇者とは概ね男性が名乗る者だぞ…」
『男女差別はいけない事だと思います!』
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