見習いエリーの黙示録《アポカリプス》

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「あああ、ジタバタしてるぅー、ウニモグしてるぅぅぅ」 「当たり前だろ、生きてるんだから。早く!」 「はぅん……。では」  観念してトカゲをまな板の中央に置き、ナタを振り上げた。 「えい」  ダンッ! 「……どこ狙ってんの。目ぇつぶってたんじゃないの?」  ナタは中央からだいぶ外れた所に刺さっている。 「あれ? なんでわかるの」  エリーが目を開け、その隙にトカゲがササササ……と逃げ出す。 「やっぱりね。ちゃんと目は開けて」  プートがトカゲを取り押さえ、まな板の中央に戻してくれた。 「えい」  ダンッ!   目測は外れてナタはまな板の端っこに振り下ろされる。 「どこ見てんの? ちゃんとしっぽを狙って。もう一回」 「うん……」  プートがもう一度トカゲをまな板の中央に置く。 「えい」  ダンッ!   今度はテーブルに置いたプートの指先スレスレに刺さった。 「どこまで不器用!? 地の果てまで? 地獄まで!?」 「やーん、そこまで言わなくてもー!」 「真っ直ぐ振り下ろせばいいだろ、なんで軌道が変わる!? いや、そもそも振り下ろす必要はない、シッポの近くでキュッとやればいいんだ!」
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