18人が本棚に入れています
本棚に追加
「あああ、ジタバタしてるぅー、ウニモグしてるぅぅぅ」
「当たり前だろ、生きてるんだから。早く!」
「はぅん……。では」
観念してトカゲをまな板の中央に置き、ナタを振り上げた。
「えい」
ダンッ!
「……どこ狙ってんの。目ぇつぶってたんじゃないの?」
ナタは中央からだいぶ外れた所に刺さっている。
「あれ? なんでわかるの」
エリーが目を開け、その隙にトカゲがササササ……と逃げ出す。
「やっぱりね。ちゃんと目は開けて」
プートがトカゲを取り押さえ、まな板の中央に戻してくれた。
「えい」
ダンッ!
目測は外れてナタはまな板の端っこに振り下ろされる。
「どこ見てんの? ちゃんとしっぽを狙って。もう一回」
「うん……」
プートがもう一度トカゲをまな板の中央に置く。
「えい」
ダンッ!
今度はテーブルに置いたプートの指先スレスレに刺さった。
「どこまで不器用!? 地の果てまで? 地獄まで!?」
「やーん、そこまで言わなくてもー!」
「真っ直ぐ振り下ろせばいいだろ、なんで軌道が変わる!? いや、そもそも振り下ろす必要はない、シッポの近くでキュッとやればいいんだ!」
最初のコメントを投稿しよう!