見習いエリーの黙示録《アポカリプス》

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「あ、そうか……」  キュッ。プチ……ッ。 「できたぁー! 見た見た? いまピンポイントで……!」  つまみあげたトカゲのシッポはまだちょっぴりウニモグしている。 「わかったから早く釜に入れて。あ、あと材料を入れた時はタクトで魔力をひとしずくってレシピに書いてあるよ」 「はいっ」  ポイッとシッポは釜の中。そして更なる試練が待ち受ける。  エリーはローブのポケットから魔法の(タクト)を取り出して大釜に向けた。 「魔力をひとしずく……一滴だけ……」  顔を真っ赤にしてタクトに集中する。すると、バリッ!と派手な音を立ててタクトは先端から裂けてしまった。 「はい、次!」  すかさずプートから新しいタクトを手渡され、再度チャレンジ! 「ひとしずく……、うーーん……」  バリッ! 「あ」 「はい、次ぃ!」 「ううーーん……!」  バリッ! 「もう一本!」 「うーん。ううーーん!」  バリッ! 「気合いだぁ!」 「うううーーーー……ん!」  バリリリッ!! 「不器用かっ!」 「また言ったあぁ! ひとしずくって難しいーー!」 「やっぱムリだムリだ、エリーに魔女の真似事なんて無理なんだ! 諦めろ!」
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