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その声に振り向けば、腕組みをしたあの男が立っていた。
「ゲッ」
「立ち読みできる本はもうないぜ?用がないなら、お引き取りくださいませ、おきゃくさまー」
「何よ、さっきの人と態度が違い過ぎない?!」
そして露骨に嫌味な言い方に腹が立つ。
「本屋も客を選ぶ時代なんだよ、帰れ帰れ」
「うるっさいわね!用ならあるわよ!今日は……本を買いに来たんだから!」
本当は顔を確かめに来たなんて言えるはずがない。
「へー、中身は見れませんけど、よろしいですかぁ?」
いちいち言動がムカつくが、こいつには付き合っていられない。買えばいいんでしょ、買えば!と美樹は店内をぐるりと一周した。
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