第1話:最低な男との最悪な出会い

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終業のチャイムが鳴り、いつもの一日が終わりを告げる。 「あー、今日は長く感じたなぁ」  一条美樹は、うーんと伸びをしながら、ついでに、ふわわと欠伸まで加える。  どうも女子校の教室というのは、気分が緩みがちになってしまうのは美樹に限ったことではない。大口をあけて欠伸をしようが、クラスにかっこいい男子がいるわけではないので人目を気にすることもない。 「待ち遠しいと余計に、時間が経つの遅くない?」 「わかる!」  隣の席の春香に言われて、美樹は思い出した。今日は毎月楽しみにしているファッション雑誌『ナインティーン』の発売日だ。美樹は17歳の高校二年生であるが、この『ナインティーン』は同世代の女子は必ず読んでいて、美樹自身も楽しみにしてる。  いわゆるこの雑誌に掲載される流行りやトレンドが、自分たちの話題になることもあり欠かすことができない。
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