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それでもおばさんはまだ納得できないようで、
「それじゃあ、見にいこうか」
と言って、立ち上がった。
おばさんと親戚の男の子と僕の三人は遺影の倒れた座敷へ向った。僕たち二人はびくびくしながら、おばさんの後ろに隠れるようにして歩いた。
さっきは怖くなって急いで逃げたので、襖を開けっぱなしにして出てきた。おばさんは躊躇することなく、その襖の開いている座敷のになかに入っていった。僕は座敷の外で立ち止まり、襖のかげに隠れた。怖くて入れなかったのだ。親戚の男の子も同じ気持ちのようで、僕の背中にくっついている。
「ほら、やっぱり」
座敷にいるおばさんが言うのが聞こえた。
「倒れてるでしょ」
親戚の男の子がおっかなびっくり聞いた。
「何言ってるの。そんなことないわよ」
おばさんは普段と変わらない口調だ。怖くないようだった。写真は倒れていないのだろうか。そうだとしたら、ひとりでに起き上がったことになる。そう思って、ぞっとした。
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