第1章 過去からの来訪者

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「塚…そんなのあっても俺の願いは叶えられない」 「そりゃそうだけど」 秋は心の中で思った あの時、桜が伝えたかった事を聞きたい もう一度、ちゃんと聞きたい 「あ、先生来た…」 担任の席に着けの一言で皆が一斉に自分の席に戻る 夢も前を向き姿勢正しく座る (そんなくだんねぇジンクスがあるなら叶えて見ろよ…俺の願い) 担任の声を子守唄にして秋は空を見上げて目を閉じる すると (「秋くーん」) 桜の声が聞こえた気がした 幻だと分かっていてもそれは間違いなく桜の声だった そのまま秋は意識を夢に持っていかれてしまったのでした 「あきくーん?」 中学生のショート髪の女の子が秋を覗く 「え?あ?」 秋は一瞬何が起きたのか分からなかった でも一つ言えるのは (これは夢か…桜は…死んだ…俺が桜に会いたいから…そう思っちまったから) 「行くよ?遊園地」 桜はあの時のように無邪気に秋の手を引っ張り出す そして無理矢理走り出す 秋もこの夢を楽しもうと桜に着いて行くことにした ルートはあの時のように当然電車だった 時間も変わらない (もし、これで少しでも変わった事をしたら未来は変わるのか…?) そんな淡い期待も少しずつ出てきていた (馬鹿らしい…) そしてそうこうしているうちに運命の時間がやってくる
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