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「塚…そんなのあっても俺の願いは叶えられない」
「そりゃそうだけど」
秋は心の中で思った
あの時、桜が伝えたかった事を聞きたい
もう一度、ちゃんと聞きたい
「あ、先生来た…」
担任の席に着けの一言で皆が一斉に自分の席に戻る
夢も前を向き姿勢正しく座る
(そんなくだんねぇジンクスがあるなら叶えて見ろよ…俺の願い)
担任の声を子守唄にして秋は空を見上げて目を閉じる
すると
(「秋くーん」)
桜の声が聞こえた気がした
幻だと分かっていてもそれは間違いなく桜の声だった
そのまま秋は意識を夢に持っていかれてしまったのでした
「あきくーん?」
中学生のショート髪の女の子が秋を覗く
「え?あ?」
秋は一瞬何が起きたのか分からなかった
でも一つ言えるのは
(これは夢か…桜は…死んだ…俺が桜に会いたいから…そう思っちまったから)
「行くよ?遊園地」
桜はあの時のように無邪気に秋の手を引っ張り出す
そして無理矢理走り出す
秋もこの夢を楽しもうと桜に着いて行くことにした
ルートはあの時のように当然電車だった
時間も変わらない
(もし、これで少しでも変わった事をしたら未来は変わるのか…?)
そんな淡い期待も少しずつ出てきていた
(馬鹿らしい…)
そしてそうこうしているうちに運命の時間がやってくる
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