謎の本屋と、謎の店員。黒猫のスパイス。

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「やだ! ダメッ! 返してっ!」 叫びながら、少女が姉に飛びかかる。 振り払おうとした相手の腕に、噛みついた少女。 そのままブチッ! 腐った肉を歯で食いちぎり、血しぶきとともに姉の腕が宙に舞う。 ガァァァァァッ!!! まるで野犬が咆哮するような、獣じみた声をあげ、妹に襲いかかる姉。 伸ばした片手で妹の肩をつかみ、大きく開いた口の中には、牙のごとく尖った歯がいくつも並ぶ。 鋭い歯を突き刺すような勢いで、押さえつけた妹の首にかぶりつこうとした瞬間…… ガガガガンッ! ガラガラガラ、バサッ! バン、ドンッ! 背後の書棚が倒れ、その衝撃で他の棚も次々と横倒しに。 まるでドミノのように折り重なり、倒れ込む、いくつもの巨大な本棚。 ちょうど間にいた姉妹には、頭上へ大量の本が降りかかり、すぐに二人とも見えなくなった。 もうもうと舞い散り、あたりを埋め尽くす埃。 あとに残ったのは、書籍の山。 どこに逃げたのか、すでに黒猫の姿も見当たらず。 あまりの事態に、あっ気にとられ、ゴクリと唾をのむ。 瞬間、ボゴッ! 散らばった本の残骸をかき分け、中からゴソリと姿を現したのは、赤黒い肉の塊…… うわあぁぁぁぁぁっ!
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