赤ずきんちゃんの憂鬱

2/20
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
私は平凡な生活をしたいの! なんで、なんで…と嘆いているこの娘の名は 赤江あかり と言う。 あかりは下駄箱の陰から周りをキョロキョロと様子を見て何もいないとわかるとため息をつく。 下駄箱を開けて靴を取り出し履こうと後ろを振り返ると目の前には着崩した学ランが目の前に広がる。 あかりは目の前を見上げると会いたくない人物がこちらをニヤニヤしながら見下ろしていた。 「あーかーりー」 「……!!」 目の前にいるこの青年の名は 狼谷犬斗 と言う。 犬斗は逃げようとするあかりをガッチリ抱きしめて逃げないようにする。 悲鳴をあげたあかりは必死に逃げようとするが犬斗の力には敵わないのか、力が尽きたのか、少し抵抗をしてからおとなしくなる。 (捕まっちゃったー!!) 毎日のやり取りのせいか周りは2人の様子を気にしないで通り過ぎていく。 赤ずきんちゃんは今日も憂鬱なのであった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!