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｢美咲！おめでとー！｣
｢綺麗だよー！｣
｢美咲先輩！おめでとうございます！｣
｢ふふっ、ありがとう｣
真っ白な階段。
真っ白な衣装。
みんなに祝福される、幸せの始まり。
彼は向こうで彼の友人に囲まれている。
｢美咲、本当に綺麗だよ。結婚おめでとう｣
｢梨子…、ありがとう｣
｢もう、花嫁が泣かないの。メイクが落ちちゃうよ｣
｢梨子だって涙目じゃん…｣
淡い青のドレスに身を包んでいる彼女は、柔らかく微笑んだ。
｢本当におめでとう｣
｢ありがとう…｣
そこで彼に呼ばれ、友人達の元を離れる。
｢もうすぐ記念撮影だって｣
｢…うん｣
鋭い彼は、そこで気づく。
｢メイク、直してもらっておいで。待ってるから｣
｢…ありがとう｣
温かい彼。
優しい梨子。
たくさんの人に囲まれ、今日から人妻になる。
私は会社を辞め、専業主婦になることを決めた。
あれから一年。
彼にプロポーズをされ、世界が変わった。
今日から彼は私の旦那で、私は彼の奥さんだ。
名字が同じになり、帰る場所も一つになる。
｢…ふふっ｣
＿＿私が、羽ばたける時間が増えるんだ。
【完】
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