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「なんであたしがフラれなきゃなんないのよー。」 「まあまあ。だから今日こうして、あたしが付き合ってあげてるじゃない。」  今日は由里が彼氏にフラれて落ち込んでるというので、友達のよしみでやけ酒に付き合っている。 「ねえ、美穂。あたしのどこが駄目だって言うのよ。」 「何処も駄目じゃないよ。向こうに見る目がなかったってことでしょ。」  こういう時は肯定するに限る。下手に逆らって絡まれたら、たまったもんじゃない。 「ほら、由里、大丈夫?」  もう由里は何杯目だか分からないくらい飲んでいる。 「大丈夫じゃないですよー。どうせ私なんて、ベロベロに酔っ払っても心配する男子なんていないんだー。」  グラス片手に大声を出す由里。 「ちょっとー、他のお客さんに迷惑でしょ。もう少し静かに飲もうよ。」  実際周りの客はチラチラこちらを見ている。 「あ。美穂。今迷惑だと思ったでしょ。」 「思ってないよ-。由里は大事な友達だよー。」  やってしまった。絡まれそうな雰囲気。 「嘘だ。美穂もあの男と一緒で、私のこと見放すんだ-。」
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