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明日、大丈夫かなー。由里の愚痴は居酒屋で話していたのとほとんど同じだったので、私は相槌だけうって、明日の心配をしていた。
「ちょっと、美穂、聞いてる?」
「聞いてるよ。大変だったね。」
「聞いてるなら、よし。」
そういうと、由里は大きくあくびをした。
「ほら、由里、もう眠いんじゃない?」
「そんなことないよ。まだ話足りない。」
あきらかに眠そうだ。時計を見ると12時を回ったところ。このまま由里が寝てくれれば、家に帰れる。
私は由里を優しく抱きしめた。
「大丈夫だよ。側にいるからね。今日はゆっくり休みな。」
優しく頭を撫でながら、語りかける。だんだん由里が体重を私にかけてきた。もう少し。
由里の寝息が聞こえはじめた。
私は由里を起こさないようにベッドへ運び、布団を掛ける。
「ごめんね。明日、電話するから、今日は帰るね。」
私はそう呟いて、音を立てないように寝室から出た。
あとは片付け。再び音を立てないように。
ある程度、片付けが終わり、午前1時近く。私は部屋の電気を消して、由里の部屋を後にした。
今から帰れば、少しは寝られるだろう。
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