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由里の家を出て、自分の家に向かう途中、私は由里の部屋に携帯を忘れてしまったことを思い出した。
どうしよう。明日の朝取りに行くか。いや、今戻った方がいいか。
数秒間考えて、やっぱり戻ることにした。
由里の部屋は静まりかえっていた。暗い部屋の中を、記憶を頼りに進む。確かあそこらへんに。
あ、あった。この感触は携帯だ。
今度は同じ経路をゆっくりと戻る。どうやら由里を起こさずに帰れそうだ。
静かに静かに玄関のドアを閉めると、私はゆっくりと息を吐いた。
よかった。これで帰れる。
時計は1時半を回っていた。
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