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間もなく梅雨明けだろうと言う、期末テスト間近の放課後
俺は、部室で1人ガリガリ〇を食べながら、空に浮かぶ雲を窓から見ていた
バンッ!
ドアが破壊するぞと思う程の音をたて、ドアが開くと
「持って来たぞ扇風機ぃ~!」
俺は、驚く事もせず、黙ってドアの方で喚いている奴を見る
「ほら、ほらほらほら!涼しくなるぜぇ」
奴はコンセントを繋ぐと、扇風機のスイッチを押した
ブ~ンと羽が回り、生ぬるい風がふく
まぁ、確かに無いよりはマシかな?って感じだ
奴は、扇風機の後ろにあるツマミを押す、扇風機の首がゆっくりと左右に動き、部室に籠もっていた熱をかき混ぜ、幾分涼しくなった気がした
「なぁ?零、今日は何すんの?」
零(れい)、これは俺の名前だ
中里 零(なかさと れい)フルネームだ
で、扇風機を何処からか持って来た奴は
瀬田 誠(せた まこと)俺とは幼稚園からの仲だ
「今日?ああ~何もねぇなぁ、おっ!当たり」
アイスの棒に「あたり」の文字
「顧問は?」
「あ?ヤッチンは職員会議だって言ってた」
アイスの棒から、誠に視線を移す
カチャ…
ドアノブが静かに動き
「あっつ~い」
と言いながら、紅一点が入室して来た
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