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夕焼けに染まる校舎を背に、俺達は正門を出た
「あ~あ、今日も誰も来なかったなぁ」
誠が背伸びをして言う
「まっ、誰も来ないって事は、逆を言えば平和って事じゃない」
香奈恵が無邪気な笑顔で言う
「だなぁ、でもさ俺達にも言えないって事もあるかも?」
誠の言う事も一理ある
何でも相談部とか言っても、俺達は全校生徒と顔見知りでも友達でもない、相談するならやっぱり自分が一番信用している者にするだろう
俺ならきっと、コイツらに相談する
そんな事をボンヤリと考えていたらバス停に着いていた
俺達3人は、学校にバスで通っている、薄暗くなり始めた道を、ライトで照らしバスがやってくる、バスは通勤通学ピークを過ぎ、乗っている客もまばらだった
「部活は良いけど、もう直ぐ期末だな」
誠が、ウエッとした顔をし言ってくる
「ああ、だな、俺と香奈恵は全然余裕だけど、お前はヤバいな」
俺が、ニヤニヤとしながら言うと
「今回は大丈夫!俺には優秀な家庭教師が2人も居るから」
誠が俺と香奈恵の肩に手をまわした
「なぁー」
「面倒くせぇからヤダ」
「勉強は自分でするものよ」
「頼む!なっ?なっ?」
誠は、まるで仏像に手を合わせるように、俺と香奈恵を拝む
「「はぁ~!」」
俺と香奈恵は深い溜め息を吐くと
「スパルタだからな」
「中間の時みたいな事にならないでよ?」
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