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「おう!任せろ!」
大丈夫かよ本当…
俺と香奈恵は、苦笑いしか出来なかった
中間の時も、俺と香奈恵が誠の家庭教師になり、勉強を教えた
だが、結果は見事に惨敗赤点地獄の追試補習
誠曰わく、答えは書いた、確かに答えは書いてあった
だが、答えを書く行が全て、一マスズレていたのだ
「どうやったら、こんな間違いすんだ!」
思い出すだけで疲れる
〔次は、桜町、お降りの方はブザーを押して下さい〕
「そう言えばさぁ?」
バスを降りると、誠が何か思い出したように言った
「何?」
前を歩く香奈恵が振り返る
「C組の藤原に聞いたんだけど」
C組の藤原?誰だそれ
俺は面識が無いのか、その藤原って奴の顔が浮かばなかった
誠の知り合いなら、まず女子ではないだろう
「藤原君って、生徒会会計のだよね?」
流石、クラス委員副委員長
「うん、この前吉川がウチの病院に居たんだって」
誠は、桜町にある総合病院の院長の息子だ
「そうなんだぁ、風邪でもひいたのかな?」
「吉川ん家って、貝原町だから逆方向、誰か知り合いか身内が入院してるらしい」
ふ~ん…俺は興味が無いから、返事も相づちも打たないで、黙って歩いていた
バス停から、大通りを通って、途中右に曲がると、緩やかな坂道になっている
俺達は、その坂道を登る、歩道を歩くのは俺達だけ、周りは既に暗く、一定間隔にある街灯の灯りが俺達の姿を映す
坂道を登ると、住宅街が建ち並んでいる
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