3人が本棚に入れています
本棚に追加
私の名前は里美。
私には大好きな人がいる。彼の名前は拓也。
もちろん拓也とは交際している。同じ大学に通う彼とは最寄り駅も同じ。
毎日の登校、挨拶に始まり下校まで、さらに毎日メールで連絡を取る。誰もが羨むラブラブなカップル。
しかし、そんな私達の関係を邪魔する人物が現れた。
その人物は私のストーカー。おそらく私に好意を持っているのだろう。ここ最近になって私の後を付けてくるようになった。
もちろん拓也に相談した。
そのストーカーと思わしき人物は男性。三十代後半頃で見るからに小汚い服装をしている。体型も拓也とは真逆でふっくらとしている。身長182センチの拓也と比べると10センチ以上もそのストーカーの男が小さい。
そのストーカーは私にバレていないと思っているのか、服装を何度も変えて私についてくる。恐怖を感じた私は拓也に相談した。だけど拓也はゼミの講習が忙しくて返信できない。警察にも行こうとしたが、逆恨みを考えると中々一歩が踏み出せない。
そんなある日。私は拓也と夜の十時を過ぎた頃、最寄り駅から帰っていた。
後ろからこつこつという足音が聞こえて私は恐る恐る振り返る。そこにいたのはあの醜い男。
でももう少し歩けば、ひとり暮らしをしている拓也のアパート。
私は恐怖に駆られる気持ちを抑えながら必死に歩いた。
拓也の住むアパートが見えてきた。すると突然、醜いストーカーの男は足を早めて私に迫ろうとした。
咄嗟に拓也が開けたアパートのドアの中に入った。
「はぁはぁ、拓也……」
「は……? お前、誰……」
思いもよらぬ一言。
「え、私だよ?……里美だよ……?」
「里美……。お前か!! 俺に付き纏ってたのは!!」
「え……どうゆう」
動揺する私の後ろのドアが開いた。そこにいたのはあのストーカー男。
「小野里美。ストーカー規制法違反及び住居侵入罪の現行犯で逮捕する」
ストーカーの男はそう言うと警察手帳を見せ、私の両手に手錠をかけた。
最初のコメントを投稿しよう!