Part.2

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 和孝は悩んでいた。  次に上げる動画のネタが思い浮かばないのだ。 「完っ全にネタ切れだ……。どうしよう」  いつものペースなら、そろそろ動画編集を行っているところなのだ。  少しでも配信が遅れれば、視聴者が離れていってしまうかもしれない。  失望されるかもしれない。  それは、何より恐ろしかった。  だが、家に居てウダウダしていても仕方ない。  和孝はネタ探しのために外に散歩に出ることにした。  何か、何かないか。  繁華街や普段歩かない道も散策してみるが、一向にいいネタは現れないし、思いつかない。  そして、橋から川を眺めている時に、それを見つけた。  河川敷にダンボールやビニールを積み重ねたゴミを見つけたのだ。  いや、ただのゴミではない。  中に人が住むゴミだ。  和孝は河川敷まで降り、慎重にそのゴミの山まで近づいていく。  人の気配がない。  どうやら住人は今、留守のようだ。  和孝の住む街ではほとんどホームレスなど見たことがない。  それが、こんな所に居るとは。  今にも崩れそうなそのダンボールハウスは、離れていても分かるぐらい異臭を放っていた。  その異臭に鼻を紡ぐ事も忘れ、和孝は歓喜に震えていた。  使える。これは使えるぞ。  和孝は急いで家に戻った。  そして撮影のための準備を始める。  愛用のカメラはもちろん、中学の頃野球で使っていたバット。  他にも手に持てるだけの道具を準備した。  もちろん、パンダのお面も忘れずに。  和孝は夜を待った。  時間は深夜がいい。  万が一邪魔が入ったら台無しだ。  和孝は肩をゆすりながら笑って、その時を今か今かと待った。  
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