3人が本棚に入れています
本棚に追加
7 扉を前に(つづき)
しかし、こんな事を言った傍から、
彼は、それでも何をしたいかが分からないと小さくボヤく。
後悔、か――。
駅へと歩きながら俺は、胸の内で友人の言葉を繰り返した。
だが、駅で彼らと別れ、帰りの電車に揺られながらも
俺も、やはり今しか出来ない事も、やりたい事も思い浮かばない。
そして、その代わりに浮かんできたのは母の顔。
姉貴、今頃、来てんのかなぁ。
あぁ、なんか帰るの嫌になってきたな。
その現実を頭に巡らせつつ、俺は
車窓の景色に、げんなりした視線を投げかけていた。
最初のコメントを投稿しよう!