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「あとね、干物の詰め合わせもらったから。明日にでも、食べましょ」
店が暇なのか、姉の向かいに座った母も上機嫌で言ってくる。
まぁ、どうせソレを選んだのは木元さんで、ソレを焼くのは俺だろうけど。
そう思う俺の口は、「うん」と少しぶっきらぼうに頷く。
そして、やっぱりこの親子は似た者同士だと、つくづく思う。
「で? 今日は、何作ってくれんの?」
学校はどう、とか。
元気にしてたか、とか。
それこそ夏休みはどうするのか、とか。
大人ならば、まずは会話を相手に振るものではなかろうか。
しかしこの親子に、そんな事は望めるわけもない。
「ピリ辛冷しゃぶは、有るわよ」
まるで自分が作るかのように言う母に、姉は嬉々とした声を上げる。
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