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私の左肩には今も父に肉を噛み千切られた痕が残っている。あの時も母が仕事に行っている昼間、薄暗い部屋で無抵抗のまま畳に横たわる私の上にまたがっていつもの行為を始めた。帯を解いて脱がせるまではそれまでと同じだった。僅かに開いた障子の隙間から差し込む陽の光がちょうど私の肩を照らしていた時、父は動きを止めて凝視してきた。何かを思い悩むように。そして私を抱き寄せた次の瞬間、左肩に感じたことのない痛みが走ったのを覚えている。気づけば私は叫んでいた。生まれて初めて声が枯れるかと思う程、叫びちぎった。左肩が燃えるように熱い。父は暴れる私をきつく抱きしめたまま一心不乱に傷口から流れ出す血を飲んでいた。痛みよりも恐怖が勝った私は泣き叫び、自分でも訳の分からない言語を口走りながら一向に力を緩めてはくれない父の背中を殴り続けた。
このままじゃ食われる、そう思った私はとうとうある言葉を叫んだ。思い出す度に自己嫌悪に苛まれる言葉を。
『誰か助けて! 鬼でもいい! 誰かお父さんを殺してっ!』
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