うちを修羅場にしないでください

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「それでは、主人の誕生日はこの日ですので、午後7時から2時間、席の予約をお願いします。」 尚子さんが卓上カレンダーで指さした日を、マスターはメモに書き留めて言う。 「わかりました。店の奥側のテーブルを予約席にしてお持ちしています。」 尚子さんと吉良さんは、一杯だけで帰るつもりだったがもう一杯カクテルを飲みたくなったからと、次のカクテルをオーダーした。吉良さんがジントニック、尚子さんがソルティードッグだ。 二人は、今度のカクテルはゆっくりと飲みながらしばらくの間、子供の担任の話や広田さんのことを話してから帰っていった。マスターも時折話に引き込みながら歓談する様子は大人の雰囲気でかっこいいと鈴音は少しあこがれてしまうくらいだ。 2人がお店を出ると、マスターは大きなため息をついた。 「どうやら尾行の件はばれていなかったようですね。」 「マスターでも緊張しはるんですね。」 鈴音は平気そうな顔で応対していたマスターも実はドキドキしていたのだとわかり、マスターに親しみが増したような気がする。 「でも心配の種が増えましたよ。ご家族がサプライズパーティーを準備した会場に広田さんが彼女を連れて現れたら修羅場になるのは必至です。どうにかして広田さんに注意を促さないと。」     
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