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そしてインターフォンから声が聞こえる。その声に聞き覚えがあった。その画面を見て少し落ち着く。私の父親だった。一人暮らしをすると決めて大喧嘩をして連絡をあまり交わしてない父親がそこにいた。
私は玄関に行き、扉を開けた。
「久しぶりだな、大丈夫か?」
「今、警察の人が来てる」
「大崎だろ?俺の親友だからな。あと神田ちゃんも一緒か?美人だろ」
するとリビングから声が聞こえる。
「いつもより貧乏揺すり激しいな、神田ちゃん……痛っ……そこ弁慶の泣き所……」
私たちが行くと大崎さんは左足を抱えて座っていた。
「いきなりですまんが、ここに俺を置いてくれないか?娘と二人暮らしとかってあいつに言われたけどよ」
「それなんだけど。実家に帰りたい」
私は父親の言葉をそう返した。しかし父親は首を振った。
「いや、犯人逮捕してからだ。俺が嫌いか?」
「……」
私は答えられなかった。
そして私はしばらく二人で暮らすことにした。スマホを見るとそれ以降の更新がない。しかし夜中に見ると、更新が変わった。
『猫事件は俺がやった。そして警察もまんまと騙せたぜ。彼女を俺のものにするまで猫を何匹殺したか。待ってられないんだよ。あの子を俺のものにしたいのは当たり前だよな』
その続きの一行の文に身震いを感じた。
『だって俺が娘の父親だもん』
そう、全ての犯人である人物が私の近くにいたのだ。それも父親。
『大好きだよ、宮城結菜ちゃん』
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