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相手の電話が取るこの音が私をさらに落ち着かせなくした。
「あっ、もしもし。母さん?」
「何よ、急に」
「変なことを聞くようだけど、私に何か送った?」
「えっ?送ってないけど、ホームシックになったの?しょうがないな、昔、あなたが一緒に寝ていたぬいぐるみがあるからそれ送ろうか?今、あなたの代わりにベッドに寝かせてるけど?」
「色々言いたいことあるけど、とにかく送ってないんだね。お父さんは元気?」
「えぇ、あなたがいなくなってからかなり背中が小さく見えるけど……」
「ならいいわ。ありがとう。じゃあね」
「また、何かあったら電話しなさいよ」
「うん」
私は電話を切る。誰だろうと思い、友達や会社の人で聞ける人に電話をしたが、こちらも何の手がかりもない。それどころか「気をつけて」という私の不安を強めるその言葉しかかけてもらえなかった。警察に相談程度に電話をしてみるが、どうやら猫の死体事件の方が優先らしく相手にされてくれなかった。
もし私と結婚している男性がいればいいが、私にはそんな人がいなかった。だからすぐにでも相談なんてできなかった。
私はそのダンボールを押し入れに置き、放置することにした。
それから一週間が経った。
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