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私は睡眠薬を飲まないと寝れない生活を送っていた。特にあれから何か起きたわけではないが、相変わらず私の後ろで見ている者はいた。
今日の仕事終わりに私は勇気を振り絞って後ろを振り向く。そして聞いてみる。
「困るんですけど。隠れてないで出てきて下さい」
「……」
「出てこないなら私が近寄りますよ」
返事がない。私は恐る恐る暗闇を歩く。ハッキリしない反応と視野に胸がモヤモヤする。私がそこだと思った電柱の裏には誰もいなかった。その代わり『いいものが取れました』という手書きの紙切れが電柱に貼ってあった。
『いいもの』とは何だろうか。
私はそんなことを考えていると眠りにつくことが起きなかった。量が増えていく。
次の日、SNSを通して友人から通知が来る。
『大丈夫?こんなのあったけど?』
その文面の下にURLが表記されていた。そこにはネット上の掲示板で知られている『紅チャンネル』というものだった。そこには『宮城結菜という女性』というトピックが立ててあった。その名前は私と同じだった。
『誰だよ?有名人?ってかなんて読むの?』
『みやぎゆきな。この人だよ』
私の顔がモザイク付きでアップで写し出されるが、それ以外の髪型や首元がモザイク無しで写っていた。それどころか写ってる場所が昨日の場所である。ちょうど後ろを振り返って声をかけたところだろうか。
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