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最近は関わらないようにしているけれど、みんな一応それなり近所同士だ。だから、抜け道の件も含めて先生に総てを話したら、その家の人と何かトラブルが起きているかもしれないからと、先生が通り道にしている家に様子を見に行くことになってくれた。その際、道案内として、私と後二人の高学年の子が同行することになった。
敷地に入ったことはないけれど、玄関口と裏口はわざわざ説明されているので、みんなその家がどこかは知っている。でも、先生を案内した先にあの家はなかった。
一応民家はあるけれど、庭は狭いし裏口もない。通り抜けられるスペースなんてどこにもない。
周りの家と間違えているのかもと、近辺の家々をちょっとだけ覗いてみたけれど、どこも通路にできる隙間なんてない。
疑問に思う私達に戸惑いながら、先生はご近所の人に色々話しを聞いてくれた。でもこの付近に、玄関から裏口へ抜けられる通路があるような家はどこにもなかった。そして、あの子達がいつも近道として使っていた家は、長く空き家だということも判った。
抜け道云々はともかくとして、数人の生徒が学校に来ないまま行方不明になっている。その事実はかなりの大事で、すぐにあの子達の家や警察に連絡が入れられ、捜査なども行われたが、今も抜け道を通っていた子達は行方不明のままだ。
私や他の子達も見た、あの抜け道のある家は何だったのか。あの子達はどこへ行ってしまったのか。
小学校を卒業し、中学も卒業して、別方向の高校に通い出したからすっかりあの道を通学に使わなくなった今でも、たまに、当時のままずっと空き家のままのあの家の側を通ると、抜け道を使おうと、家の庭から私を手招いた子達の顔を思い出す。
抜け道…完
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