ホールケーキ

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「今日は晩ご飯ケーキになっちゃったね」 お皿を取り出しに行くが、ふとあることに気づき、彼に振り返った。 「あぁ、永野くんはまだ誕生日じゃなかったね」 笑顔で話しかけても返事はなく、何故かこちらを青い顔をして見ていた。 「………」 何かを話そうとしているのは伝わってくるが、声が聞こえてこない。 「どうしたの?」 さっきから全然動かない彼に、不思議に思う。 「……お、お前なにそれ」 彼の視線は母と父を見ていた。 「え、なにって、ケーキ?一緒に買ったでしょ?」 どうして突然そんなことを言い出したのか、彼は本当におかしくなってしまったんじゃないかと心配になった。 「そうじゃなくて…、」 彼の指差す方向には母さんが座っていた。 「それって、母さんがどうかしたの?」 母さんを見てみるが特に変わったところはなかった。
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