1人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日は晩ご飯ケーキになっちゃったね」
お皿を取り出しに行くが、ふとあることに気づき、彼に振り返った。
「あぁ、永野くんはまだ誕生日じゃなかったね」
笑顔で話しかけても返事はなく、何故かこちらを青い顔をして見ていた。
「………」
何かを話そうとしているのは伝わってくるが、声が聞こえてこない。
「どうしたの?」
さっきから全然動かない彼に、不思議に思う。
「……お、お前なにそれ」
彼の視線は母と父を見ていた。
「え、なにって、ケーキ?一緒に買ったでしょ?」
どうして突然そんなことを言い出したのか、彼は本当におかしくなってしまったんじゃないかと心配になった。
「そうじゃなくて…、」
彼の指差す方向には母さんが座っていた。
「それって、母さんがどうかしたの?」
母さんを見てみるが特に変わったところはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!