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校門を出て、2人並んで歩く。
特に会話もなく、私たちは駅の方に向かって歩いた。
…話があったんじゃないのかなぁ、朝木くんは…
そう思いつつ、私も言葉が出ない。
本当にただ一緒に帰るだけだったんだろうか。
でも、朝木くんの家は学校の近くって誰かが言ってたハズなんだけど…場所は知らないけど…
わざわざ私と帰らなくてもいいような…?
……思い切って聞いてみようかな?
「「あの…」」
私の声と同時に朝木くんの声がかぶった。
私は思わず「あっ」と小さく言うと、朝木くんも目を丸くして私を見ていた。
「あ、ご、ごめんね、鬼塚さんから話して!」
「や!違うの!大した事じゃなくて!」
お互いにどっちが先に話すか譲り合うような感じになってアタフタする。
「えっと、えっと、朝木くんは家がこの辺だって誰か言ってたから、もしかして駅まで行ったら遠回りとかなっちゃわないかな!?とか思っただけで…っ」
「そ、そんな事ないよ。あ、でも良かったら駅までのハンバーガー屋で何か食べながら話さない?奢るよ?あ!帰りも送るし!」
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