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「簡単ですよ、心の中でルシファー様にストラスは怪しい術を使った人形に惑わされて召喚し、仕方なく亜湖さんの願いを叶えた…だから、ストラスを責めないであげてください、とお願いしてくれればいいのです」
ストラスは物凄く爽やかな笑顔で私に語る。
クータンの力では、ストラスなんか呼べないとか言ってたし、召喚というより勝手に来た感がありましたが?
まぁ、しかし……私の話を教えてくれたのはありがたかったし、私のせいで怒られてしまうのは可哀想だと思って、とりあえず頷く。
「分かりました。ストラス。後で、心の中でしっかりルシファーさんに届くようにお願いしてみます」
ストラスは満足そうに微笑むと、私の手を離してバルコニーの柵の方に歩いていく。
「それでは亜湖さん、紅茶、ご馳走様でした。
もうお会いすることはないと思いますが、あなたの幸せを祈ってますよ、悪魔ですが。フフフ」
ストラスは再び梟の姿に戻って柵の縁にとまり、翼を何度か羽ばたかせると強い風と黒い煙が巻き上がる。
そして、その煙の中にふわりと入り、煙が消える頃には梟の姿はそこにはなかった。
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