神様の言うとおり

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「鬼塚さん、今日学校休んだの? 僕も昨日と今日、引っ越しで休んだんだけど…」 「う、うん。熱が出ちゃって…。でも、大丈夫。 明日には学校行けると思う」 「まぁ、大変ね。そんな時にお邪魔しちゃってごめんなさいね。亜湖ちゃん、ゆっくり休んで。さ、天音、帰りましょう。お母さんにも宜しく伝えてください」 「じゃあ、鬼塚さん、またね。お大事に」 私は2人を笑顔で手を振り見送った。 朝木くんも手を振り返してくれる。 私はドアを閉じて玄関に入ると、ストラスがそこにいた。 「天音が隣へ引っ越して来たのですね」 私は頷いた。 ストラスは私と同じ事をきっと考えている。 朝木くんが私の隣に引っ越して来たのは偶然じゃない。 神様がした事に違いないと。 朝木くんも、思ってるハズーーーー 神様は何で、こんな事を。 朝木くんが引っ越しするという事で時の歪みが出来て、また天使の誰かが人間界に調整をしにくるんだろうか。 「さぁ、亜湖さん、またそれ以上に熱が上がっては 大変です。ベッドへ戻りましょう」 「うん…」 ストラスは朝木くんの事については何も言わなかったけれど、彼の赤い瞳がいつになく鋭くなっているように見えて、私は少し怖かった。
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