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1時限目の授業が終わり、私は机の上を片付け始めた。
すると、私の机の端に誰かの手が置かれる。
「あの…」
そう言われて、私は顔を上げた。
見上げると、サラサラした金髪の彼が私を見下ろしていた。
「朝木くん…」
「うん」
「えと、な、なに?」
私がそう言うと、朝木くんは何か言いたそうな表情をしたけれど黙っている。
教室のみんなを見ると、私と朝木くんに視線が集まっていた。
朝木くん、何なんだろ?
困ったなぁ…
「えっと、私、鬼塚亜湖って言うの。何か分からない事があるなら聞いてね。」
「うん、ありがとう」
彼は、他に何か話があるような顔を再びしたけれど、私にニコリと微笑むと自分の席に戻って行った。
その途端、クラスの女子に囲まれ、きゃあきゃあと騒がれている。
「何だったの?朝木くん」
絢香が私の前の席の椅子を近づけて座ると、朝木くんを見ながら話してくる。
「いやぁ…分かんない」
「んー…まぁ?早速亜湖に引き寄せられたのかも?ね?」
「やぁね、違うよ。」
「いいなぁ、私も朝木くんに声かけられたーい!」
絢香はそんな事を言っていたけれど、彼が何か言おうとしていのは、私も気になった。……何だったんだろ…
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