140人が本棚に入れています
本棚に追加
/414ページ
神様
次の日。
すっかり熱も下がり、体のダルさも無くなっていて、気持ち良く目が覚めた。
お母さんは「もう1日ゆっくりしたら?」と言ったけれど、私は学校に行く事にした。
「学校で、調子悪くなったらすぐに連絡しなさいよ」
「分かってる!行ってきます」
朝食を食べて、学校の用意を済ませると、私は玄関の扉を開ける。
すると、隣の部屋の扉も開き、中から朝木くんが出てきた。
「「あ…」」
お互いに驚いて、苦々しく笑う。
「朝木くん、おはよう」
「鬼塚さんも、おはよう。体の調子はどう?」
「もう熱も下がって元気なんだ。ありがとね」
私たちは、一緒にエレベーターに乗った。
勿論、ストラスも一緒に。
エレベーターで私と朝木くんだけになった途端、
ストラスは朝木くんにも見えるように急に姿を現した。
「うわっ!」
「おはよう、天音」
急に姿を現したストラスに驚いて、朝木くんは大きな声を上げた。
ストラスはその朝木くんの様子に唇の端を上げて、嬉しそうに微笑む。
まるで、いじめっ子のようだ。
「そうだ、悪魔がいたんだった。朝からテンション下がる…」
朝木くんはストラスを皮肉を込めてそう言ったけれど、ストラスはますます嬉しそうに目を細める。
「悪魔としてそう言う風に言われるのは嬉しいねぇ」
「早くこの状況をなんとかして地獄に帰らないの?」
最初のコメントを投稿しよう!