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夏紀の話はこうだ。
夫である高瀬律夫は、警察のそれも上層部の地位にいる父親と、スクールカーストの著しい私立小学校の教師の母親との間に生まれた息子だった。
そんな律夫は、プライドの高さもあってすっかり歪んでいて、夏紀の姉をたった1回の一目惚れをきっかけにストーカーするようになったのだ。
夏紀の姉は、何度もストーカーを警察に訴えたが、全てを律夫の父親に揉み消されたらしい。
ストーカーはエスカレートして、遂に夏紀の姉は引きこもり、家族は律夫を訴えたが、律夫はストーカーを認めず、金を払って嫌がらせさせた人に罪を擦り付け、自分は無罪放免、夏紀の姉を渡せと言い出した。
しかし、夏紀たちの味方を買って出た律夫の元カノが、律夫の束縛を暴露した。
しかし、律夫たちは証拠がなければ退かないと言い出し、これに絶望した夏紀の姉は自殺未遂、そして夏紀たちも自殺して全てを帳消しにしようとした時、律夫側の弁護士が夏紀の姉の自殺未遂現場を巡る訴訟を突き付けた。
そして、もし夏紀たちが死んだら、その訴訟を何故か夏紀たちの親族に擦り付けると脅したのだった。
このままでは自分達が犯罪者扱いされるも、夏紀の姉は引きこもったまま。
夏紀たちは律夫に夏紀の姉は渡せないことを説明した。
こうしてしばらくして、律夫は夏紀の姉を諦め、尚且つ訴訟などのトラブルを帳消しにする交換条件を唱えたのだ。
相澤「その交換条件が、高瀬さんとの結婚か…。」
倉敷「高瀬の母ちゃんも何黙ってたんだよ!何で肝心の動機を俺たちに喋らなかった!?」
その時、夏紀の母がいきなり倉敷君に包丁を向けた。
夏紀の母「こうでもしなければ、春香を救えないのよ!」
暴れる夏紀の母を、男性陣が押さえる。
花音「どうすんの?みどり。」
あたし「こうなったら、原田先生に相談して…。」
その時、あたしは見てしまった。
夏紀の眼鏡に、チカッと光るものが見えた。
あたし「まさか…!」
その時、戸の開く音。
高瀬律夫が帰ってきたのだった。
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