それでもキミが

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「よかった。真斗の方がいいとか言われたら俺多分立ち直れねぇよ」 「ふふっ。マサ大好きだもん」 あたしはマサの首に腕を回す。 「俺も。俺も大好き」 マサがすこしあたしと距離を作ってあたしの顔を覗き込む。 「ほんと好みまで一緒」 「え?」 「あんなに何かを覚えてるあいつ珍しいんだよ」 真斗さんを思ってか少し遠い目になる。 あんなふうに悪態ついてるけど、大切な家族に変わりはないんだろうなって思う。 「そうなの?」 「きっとあいつが昨日あんな風に言ったのも気づいてたんだろうな。俺の部屋って里利子の写真めっちゃ飾ってるじゃん」 「…うん」 だからってマサのふりするのはひどいと思うけど。 どれだけあたしが傷ついたか。 「これから何かある度にあいつきそう。はぁ」 また深いため息になる。 「あたしがマサから離れることはないから」 こんなに好きな人、いままで出会ったことがなかったんだから。
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