それでもキミが

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「同じ顔だから俺でもいいじゃん、ほんとは一目惚れしたのは俺なんだから?」 ニヤっと笑うこの人と隣で怒りマークが何個もついてそうに怖い顔になっているマサ。 「えっと…名前は…」 何を言うにしても名前がわからないと思って聞いてみる。 「俺、真斗だから俺もマサでいいよ」 ニッコリ笑う。 あだ名まで一緒とかやりにくいことこの上ない。 「マサはマサなので、真斗さん」 「マサでいいのにーちぇー」 「ちぇッじゃねぇよ。もう帰れよ」 能天気に話す真斗さんとまだまだ怒り気味のマサ。 「あの日出会ったのが真斗さんだからって真斗さんのこと好きになりませんよ。あたし」 そう。 あの日の出来事なんてきっかけにしかすぎない。 たしかにあの日あたしは真斗さんに一目惚れしたのかもしれない。 でも、あたしはそれがきっかけで学校の先輩であるマサをみつけた。 マサに話しかけてるうちにどんどんマサを好きになったんだ。
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