それでもキミが

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「はぁーびっくりした」 「え?」 「初めにあったのは真斗とかさ。俺振られる?とかめっちゃ心配なったし」 ぐしゃぐしゃって自分の頭を掻きだすマサがとても可愛く思える。 「心配なんてしなくてもあたしはマサのものだよ」 「なぁ、あいつもマサだしさ。言い方かえない?」 「え?今更?」 付き合いが長くなってきたいま、突然変えるのは難しいし、このあだ名にあたしは愛着を持って呼んでいた。 「あいつと同じが嫌だ。真希って呼んでよ」 「ま、さき…」 呼んでみたはいいものの呼びなれてなくてなんとなくてれる。 「やべぇ。破壊力あるわ」 マサが顔を両手で覆ってる。 「なにそれ。でもあたしマサがいい」 「なんでこだわるんだよ」 「ずっと先輩だったあたしが付き合い出してやっと呼ばせてもらった呼び方だから」 片思いだと思ってたあいだ。 先輩のまわりの女の子たちがみんな〝マサ〟って呼んでて羨ましかったから。
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