それでもキミが

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「なにそれ、お前可愛すぎだろ。出るぞ」 マサが急にあたしの手を取ってたちあがる。 「え?どうしたの?」 「いいから」 スタスタと歩いて、レジでお金を払う。 「ありがとうございましたー」 陽気な店員の声を背中に浴び、そとにでる。 「マサ?」 「こっち」 マサに手を引かれて店と隣の店の間に連れていかれる。 「どうしたの?こんなとこ」 「あそこじゃなにもできないから」 そう言ったかと思うとマサにぎゅっと抱きしめられる。 「…マサ?」 「里利子が悪いんだからな」 〝悪い〟といいつつ優しい笑顔で包み込むようにあたしを見つめる。 「…悪い?」 「里利子、本屋さんで出会ったの俺じゃなかったけどいいの?」 少し心配そうな瞳であたしを見つめる。 「マサしかいらないよ!あそこでの出会いが無くたっていつかマサのこと好きになってたんだから」 本屋さんは実際にあった出来事だけど あそこで出会ったのが誰かなんてどうでもいいんだ。
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