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そんな『閃光戦記』の作者、氷河政俊の正体は、ただの普通の男子高校生である。勉強も運動もわりと器用にできてチャラチャラしてるせいで友達も多い、クラスでいつも調子こいて先生に怒られてる感じの、言ってしまえばどこにでもいるような奴。
つーかまあ、これは俺のことなんだけど。
そしてもう一人の小説家の名前は、咲夜日織(さくや ひおり)。
俺と同じく、ネット上にある小説投稿サイト『every』で創作活動をしていて、彼女はそこに『恋の雫』というタイトルの恋愛小説を掲載している。
『恋の雫』はPV数やユーザーからの評価こそまだ少ないものの、一昔前に流行ったケータイ小説のような甘酸っぱさと切なさを持った恋愛物語である。学校を舞台に繰り広げられる生徒たちの青春と、リアルで胸を焦がすような恋模様に共感する女性読者は少なくない。特に10代女子からの人気が高く、普段は少女漫画を中心に読むような層からの支持が特にアツいらしい。
そんな『恋の雫』の作者、咲夜日織の正体は、「転校生」かつ「王子様」。
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